Dies Aliquanti

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Bose 901のイコライザー2段目、その1


ほっぽらかしのBose901イコライザーのリビルド計画を再開しようと思います。2段目のフィルターです。
回路はちょっと複雑で、追っかけるのが辛いので、得られている特性からでっち上げようと思います。例によって、LTSpiceに回路を入力して特性を見てみます。
901_2nd-1.png

上記のような特性のフィルターで、1KHzあたりの位相をみると反転増幅器になっているのだろうと想像できます。位相のまわり方から、1次のローブーストフィルタと1次のハイブーストフィルタの合成フィルタだろうと想像をして、伝達関数を求めて行こうと思います。

その他のBose901関連の記事はこちらから

引用

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Bose901のイコライザー1段目その6

前回の続きですが、$V_p,V_f$を消去するより、$V_p,V_{out1}$を消去するほうが計算量が少なそうなので、方針を変更します。
式(1-22)の両辺を$(Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7})$倍して、

\begin{align*}
& V_p \cdot (Y_{C_2}+Y_{R7})(Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7}) \\
=&V_f \cdot (Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7}) Y_{R_7} + V_{in} \cdot Y_{C_2} \cdot (Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7}) \tag{1-22'}

\end{align*}

式(1-21)をこれに代入すると
\begin{align*}
& V_p \cdot (Y_{C_2}+Y_{R7})(Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7}) \\
=& (V_{in} \cdot Y_{R_6} + V_{out1} \cdot Y_{C_1} + V_p \cdot Y_{R_7})Y_{R_7} \\
& + V_{in} \cdot Y_{C_2} \cdot(Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7} ) \tag{1-25}\\
\end{align*}

式(1-23)をこれに代入すると
\begin{align*}
& V_p \cdot (Y_{C_2}+Y_{R7})(Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7}) \\
=& (V_{in} \cdot Y_{R_6} + V_p \cdot K \cdot Y_{C_1} + V_p \cdot Y_{R_7})Y_{R_7} \\
& + V_{in} \cdot Y_{C_2} \cdot(Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7} ) \tag{1-26}\\
\end{align*}

$V_p$の項を左辺へ、$V_{in}$を左辺へ集めます。
\begin{align*}
&V_p \cdot \{(Y_{C_2} + Y_{R_7})(Y_{C_1}+Y_{R_6} + Y_{R_7}) -(K \cdot Y_{C_1} + Y_{R_7}) \cdot Y_{R_7} \} \\
=& Y_{in} \cdot \{ Y_{R_6} \cdot Y_{R_7} + Y_{C_2} \cdot (Y_{C_1}+Y_{R_6} + Y_{R_7}) \} \tag{1-27}
\end{align*}

よって、
\begin{align*}

\frac{V_p}{V_{in}} &= \frac { Y_{R_6} \cdot Y_{R_7} + Y_{C_2} \cdot (Y_{C_1}+Y_{R_6} + Y_{R_7}) } {(Y_{C_2} + Y_{R_7})(Y_{C_1}+Y_{R_6} + Y_{R_7}) -(K \cdot Y_{C_1} + Y_{R_7}) \cdot Y_{R_7} } \\ \\
&= \frac {Y_{C_1} \cdot Y_{C_2} + Y_{C_2} \cdot (Y_{R_6}+Y_{R_7})+Y_{R_6} \cdot Y_{R_7} } { Y_{C_1} \cdot Y_{C_2} -Y_{C_1} \cdot(K-1)Y_{R_7} + Y_{C_2} \cdot (Y_{R_6}+Y_{R_7})+Y_{R_6} \cdot Y_{R_7} } \\ \\
&= 1+ \frac {Y_{C_1} \cdot(K-1)Y_{R_7} } { Y_{C_1} \cdot Y_{C_2} -Y_{C_1} \cdot(K-1)Y_{R_7} + Y_{C_2} \cdot (Y_{R_6}+Y_{R_7})+Y_{R_6} \cdot Y_{R_7} } \\
\end{align*}

これに、式(1-20)を代入して
\begin{align*}

\frac{V_p}{V_{in}}
&= 1 + \frac{s \cdot C_1 \cdot (K-1) \frac{1}{R_7}}
{ s^2 \cdot C_1 \cdot C_2 - s \cdot \frac{C_1 \cdot(K-1)}{R_7}
+s \cdot C_2 \cdot( \frac{1}{R_6} + \frac{1}{R_7}) + \frac{1}{R_6 \cdot R_7} } \\ \\
&= 1 + \frac{s \cdot \frac {C_1}{R_7} \cdot (K-1) }
{ s^2 \cdot C_1 \cdot C_2
+ s \cdot \frac{ C_2 \cdot (R_6+R_7) - C_1 \cdot \cdot R_6 \cdot(K-1)}{R_6 \cdot R_7}
+ \frac{1}{R_6 \cdot R_7} } \\

\end{align*}

第2項の分母分子を$C_1 \cdot C_2$で割って、
\begin{align*}

\frac{V_p}{V_{in}}
&= 1 + \frac{s \cdot \frac {K-1}{C_2 \cdot R_7}}
{ s^2
+ s \cdot \frac{ C_2 \cdot (R_6+R_7) - C_1 \cdot \cdot R_6 \cdot(K-1)}{C_1 \cdot C_2 \cdot R_6 \cdot R_7}
+ \frac{1}{C_1 \cdot C_2 \cdot R_6 \cdot R_7} } \tag{1-28}

\end{align*}

よって、第一段目のフィルタの伝達関数$H_{stage1}(s)$は、
\begin{align*}
H_{stage1}(s) &= \frac{V_{out1}}{V_{in}} \\
&= K \cdot (1 + \frac{s \cdot \frac {K-1}{C_2 \cdot R_7}}
{ s^2
+ s \cdot \frac{ C_2 \cdot (R_6+R_7) - C_1 \cdot R_6 \cdot(K-1)}{C_1 \cdot C_2 \cdot R_6 \cdot R_7}
+ \frac{1}{C_1 \cdot C_2 \cdot R_6 \cdot R_7} }
) \tag{1-29}
\end{align*}

となります。

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Bose901のイコライザー1段目その5

前回の回路を、TIのアプリケーションノートを真似て解いて行きます。なお、件のアプリケーションノートでは、KCL((Kirchhoff's Current Law、キルヒホフの電流則)と書いていますが、より正しくは、帆足-ミルマンの定理だと思います(帆足先生は一応私の師匠筋なので…w)。また、件のアプリケーションノートでは、インピーダンスをベースに書いていますが、帆足-ミルマンの定理を適用するには、アドミタンス(インピーダンスの逆数)をベースに考える方が、分数が少なくて見やすいです。
TIのアプリケーションノートに倣って、図のようにVf、Vpとノード名(とそのノードの電圧)をつけます。
C1,C2,R6,R7のアドミッタンスをそれぞれ、$Y_{C_1}, Y_{C_2}, Y_{R_6}, Y_{R_7}$ とすると、

$$
Y_{C_1} = sC_1, Y_{C_2}=sC_1, Y_{R_6}=\frac{1}{R_6},Y_{R_7} = \frac{1}{R_7} \tag{1-20}
$$

ノードVfに関して帆足-ミルマンの定理を適用すると、
\begin{align*}
&V_f (Y_{C_1}+Y_{R_6}+Y_{R_7}) \\
&= V_{in} \cdot Y_{R_6} + V_{out1} \cdot Y_{C_1} + Vp \cdot Y_{R_7} \tag{1-21}
\end{align*}
ノードVpも同様に
$$
Vp( Y_{R_7} + Y_{C_2} ) = V_f \cdot Y_{R_7} + V_{in} \cdot Y_{C_2} \tag{1-22}
$$
通常のSallen-Key型のフィルタでは、式(1-21)の右辺の第二項は0なのが、ちょっと違います。
また、増幅回路のゲインをKとすると、
$$
V_{out1} = K \cdot V_p \tag{1-23}
$$
だから、
$$
V_p = \frac{V_{out1}}{K} \tag{1-24}
$$
式(1-20),(1-21),(1-22),(1-24)から、伝達関数 $H(s) = \frac{V_{out1}}{V_{in}} $ を求めて行きます。これらの式から$V_p,V_f$を消去すればいいのですが、$Y_{R_6},Y_{R_7}$はsパラメータに対して定数、$Y_{C_1},Y_{C_2}$はsパラメータの一次項、$Y_{C_1} \cdot Y_{C_2}$ はsパラメータの2次項であることを意識しておくと最終的に綺麗な式を得やすいです。

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Bose901のイコライザー1段目その4

901_1e2IdealAmp
(クリックで全体像を表示)

今回はイコライザーの一段目のフィルタの特性の特性に関してです。
前回の結果から、1段目のフィルタを、LTspiceのE素子(Voltage Dependent Voltage Source)を使って書き直しました。E素子は、Laplace=式で伝達関数を直接書くことができますが、今回は単なる増幅器なので、前回のシミュレーションの結果、0.94dB≒1.1143を入れています。

CRの部分がポイントなのですが、この回路のC2の左側を入力ではなく、GNDに接続すると実は有名なSalen-Key型のローパスフィルタです。

上図のように、ノードVf、Vpと名前をつけて、オームの法則とキルヒホフの電流則で解いていけばいいのですが、正直大変です。Salen-Keyフィルタの結果はweb上でいくらでも見つかるのですが、結果ではなく途中経過を示しているものはなかなか見つかりません。やっと、TIのアプリケーションノートを見つけました。
これを参考に解いて行きたい思います。

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Bose901のイコライザー1段目その3

1st_ampOnly_conceptual
(クリックで全体を表示)

イコライザー一段目の増幅器の周辺を、トランジスタの簡易モデルで書きなおしてみました。
トランジスタ$Q_1、Q_2$のベース抵抗をそれぞれ$h_{ieQ_1},h_{ieQ_2}$,ベース電流を$Ib_{Q_1},Ib_{Q_2}$,電流増幅率を$ \beta_{Q_1},\beta_{Q_2} $, Q1,Q2のコレクタ電流$Ic_{Q1}、Ic_{Q2}$とします。
\[
Ic_{Q1}=\beta_{Q1} \cdot Ib_{Q1} \tag{1-1}
\]
\[
Ic_{Q2}=\beta_{Q2} \cdot Ib_{Q2} \tag{1-2}
\]

\[
Ib_{Q2}= \frac{R5} {R5+h_{ieQ2} } \cdot Ic_{Q1} \tag{1-3}
\]

ですから、(1-1),(1-2),(1-3)から
\begin{align*}
Ic_{Q2} &= \frac{R_5}{R_5+h_{ieQ2}} \cdot \beta_{Q_2} \cdot Ic_{Q_1} \\
&= \frac{R_5}{R_5+h_{ieQ2}} \cdot \beta_{Q1} \cdot \beta_{Q2} \cdot Ib_{Q_1} \tag{1-4}

\end{align*}

また、
R3に流れる電流IR3は,式(1-3),(1-4) キルヒホフの電流則から、

\begin{align*}
I_{R_3} &= Ib_{Q_1}+Ic_{Q_1} +Ic_{Q_2} \\
&= (1+ \beta_{Q_1} + \frac{R_5}{R_5 + H_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2}) \cdot Ib_{Q_1} \tag{1-5}

\end{align*}

ここで、$ R_5 = 6.8K \Omega$、 $h_{ie_{Q1}}, h_{ie_{Q1}} \approx 数百\Omega $、$ \beta_{Q_{1}}, \beta_{Q_{1}} \approx 150 ~ 200 $とすれば、
$$
1 << \beta_{Q_1} << \frac{R_5}{R_5 + h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2} \tag{1-6}
$$
したがって、VOUT0はオームの法則から、
\begin{align*}
V_{out0} &= (1+ \beta_{Q_1} + \frac{R_5}{R_5 + h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2} ) \cdot R_3 \cdot Ib_{Q_1} \tag{1-7} \\
&\approx \frac{R_5}{R_5+h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2} \cdot R_3 \cdot Ib_{Q_1} \tag{1-7'} \\
&= R_3 \cdot Ic_{Q2} \tag{1-7''}
\end{align*}
同じくオームの法則から、
$$
Ib_{Q_1} = \frac{ V_{in} – V_{out0}} {h_{ieQ_1}} \tag{1-8}
$$
式(1-8)を(1-7’)に代入すれば、

\begin{align*}
V_{out0} &= \frac{ \frac{R_5}{R_5+h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2}\cdot R_3} {h_{ieQ_1}} ({ V_{in} – V_{out0}})
\tag{1-9} \\
\end{align*}

$$
\alpha = \frac{\frac{R_5}{R_5+h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2} \cdot R_3} {h_{ieQ_1}} \tag{1-10} \\
$$

とすれば、$ \alpha >>> 1$ は自明で、(1-10)を変形すると、
\begin{align*}
\frac{V_{out0}}{V_{in}} &= \frac{\alpha}{\alpha+1} \tag{1-11} \\

&\approx 1 \tag{1-11'} \\
\end{align*}
を得ます。つまり、$ V_{out0} \approx V_{in} $です。
また、
$$
V_{out1} - V_{out0} = R_4 \cdot Ic_{Q_2} \tag{1-12}
$$
ですから、式(1-7''),(1-12)から、
\begin{align*}
V_{out1} &\approx \frac{ R_3 + R_4 }{R_3} \cdot V_{out1} \\
&\approx \frac{ R_3 + R_4 }{R_3} \cdot V_{in} \tag{1-13} \\
\end{align*}
つまり、R3,R4の分圧比でほぼ正確に増幅率の決まる増幅回路になるわけですね。しかも、入力電流はほとんど流れないので、入力インピーダンスは非常に高くなります。
私は、ちょっと複雑なアナログ回路は、OpAmpに頼っちゃう方(シロートだし)ですが、トランジスタ2個でもやろうと思えば出来るんですねー。勉強になります。まあ、電圧のオフセットとか考えると、AC増幅にしか使えそうもないですが…
で、R5の意味ですが、正直良くわかりません。一般的な小信号トランジスタでは、ベース抵抗Hieは数百オーム位だと思うので、R5(6.8K)を並列にしたところで、さほど、Q2のベース電流に変化があるわけではないです。試しにこの抵抗を取り除いても、LTspiceでのシミュレーション結果は大差ないです。この抵抗を小さくしていくと、全体のゲインに影響がでてきます。式(1-6)の関係が崩れてくるためです。
考えられるのは、トランジスタのコレクタ電流はある程度は流したほうが、ノイズが減るためかな?とおもいます。

最後に、式(11)で与えられる、増幅率は、
$$
\frac{1600+200}{1600} = 1.125 \approx 1.023dB \tag{1-14}
$$
でシミュレーションから読み取った値は、約0.94dBとなります。(真数換算での)誤差は1%以内に収まりますから、結果は妥当といえるでしょう。

次回に続きます

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まとめ

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