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D級AMP考 ~ TIのTPA3110D2風パワーアンプに挑戦(2)

で、前回の回路の動作原理。

自励式で動作させた場合よりもわずかに低い周波数で、外部励起をかけています。このため、無信号の場合は、正負両側とも同じ位相を保ちます。そこへ、外部入力をかけてやると、デューティ比が変化するわけです。従って、入力信号は差動入力である必要があります。

  積分回路は、完全差動OpAmpを使っていて、差動積分回路になっていますが、正負の回路は独立しているので、実は、もはや、差動積分回路である必要はないのですが、いろいろ回路を検討した名残です。

TPA3110D2のデータシートに載っている内部のブロック図のまるパクリもやってみましたが、スイッチング周波数が1MHzを割り込んでしまいます。

また、デジタル的な処理の回路も試したりとかしましたが、今のところあまり良い結果になる回路が判りません。

 

問題は、入力電圧の振幅を大きくする、すなわち(結果として)スイッチング回路のデューティ比が50%から大きく変化していくと、励起信号との同期が外れてしまうことです。変調を深くかけられない、つまり増幅率をあまりあげられない、ということです。

  励起信号の周波数を入力電圧によって変えるVCOにしてみたけど、あまり芳しくない…

対策は、とりあえず電源電圧を上げるくらいでしょうか?

FFTで歪率をみてみます。

Damp-Power_comp20141107

Fig 2014_11_11

左側が、TPA3110D2風、右側が自励式でPush/Pull型にした場合。よく見比べると左側の方がすこし、高調波が減っています。また、左側はスイッチング周波数が固定なので、輝線スペクトルになっていますが、右側はスイッチング周波数が可変でスペクトルが拡散しているのがわかります。ただ、スイッチング周波数の拡散をしてもレベル自体はあまりさがりませんね。これはちょっと意外です。

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D級AMP考 ~ TIのTPA3110D2風パワーアンプに挑戦

[2014/11/11] 訂正 回路図が古いものだったので修正

 

もう一つ考えてみたのは、TIのTPA3110D2風にしたもの。まあ、これもアイデアスケッチレベル。

前回の回路では、よくあるようにBTLプッシュプルの正出力と負出力は完全に逆位相で動作しているのだけれど、TPA3110D2では正負出力は同相でPWMのデューティ比を制御している。

データブックには、無信号時には、正負出力は同じになるのでより無駄な電力を喰わないことが謳われている。私はむしろ、スピーカーから見た場合の駆動電圧は本来のスイッチ周波数の倍の周波数でスイッチすることに注目してみた。

回路図

回路図はこんな感じ。

LikeTI20141109

Fig 2014_11_09.1 TIのTPA3110D2風 D級パワーアンプ

 

実は動作原理は全然違うのだけれど、それはあとで書くとして、まずは動作の様子

zero20141109

Fig 2014_11_09.2 入力電圧ほぼ0の場合。

 

plus20141109

Fig 2014_11_09.3 入力電圧がプラスの場合。

 

Minus20141109

Fig 2014_11_09.3 入力電圧がマイナスの場合。

 

ね?データブックにあるのと同じ様に動作してるでしょう?

D級AMP考 ~ パワーアンプに挑戦

先週、急にヨーロッパに出張になってしまい、部品の注文とかはなんとなくしそこねてしまいました。

出張中は、通勤時間が短かったり、テレビも見ても面白くなかったりで、ちょっとパワー・アンプを考えてみました。

D級パワーアンプは、出力段にMOS-FETを使うのが定番なのですが、ハイサイドのトランジスタの駆動方法や、ショート・スルー(貫通電流)の制御が難しそうで何度となく、考えては挫折してました。

まあ、昔のシャープのAMPの論文(技報)とか読むと、7次のΔΣ変換とか、恐ろしいことを書いているけれども、アナログ領域でD級AMPをつくるとなれば、また別なのですよ。

秋月電子の扱いのある、ハイサイドコントローラとかは、遅延が大きくてどうしようもないな…とか思ってたんだけど、リニアテクノロジ社の製品をみたらもっと性能がいいものがあって、LTSpiceで使えるモデルもある。

ということで、ちょこっと設計というよりは、アイデアスケッチみたいなものだけど、考えてみた。

ClassD_PowerAmp2014_11_07

Fig. 2014-11-07-1 差動型D級パワーアンプ


前回のヘッドホンアンプでは、CR積分にしているのだけれど、今回は完全差動型のOpAmpで積分回路にしてみた。ヘッドホンアンプでは、パワー段をCMOSロジックICにしたこともあり、スイッチングは、20MHz以上になる。この場合は、実はOpAmpを使った積分器より、CR型積分器のほうが(少なくともシミュレーションでの評価では)性能が良さそうなのだが、こちらの回路では、スイッチング速度はせいぜい4MHz以下にしかならなくて、そうなってくると、ちゃんとした積分器の方が性能がよさそう。

差動型の積分器の動作原理は、そのうち気が向いたら書いてみるけど、厳密な議論のためには結構めんどくさい。興味のあるひとは、完全差動OpAmpに関するTIのチュートリアル記事を見てベンキョーしてみて下さい。

性能評価に関しては、ここに。

 

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D級AMP考 ~ バランス駆動に拡張

スピーカー駆動を見据えて、次はバランス型(差動回路)に挑戦(w)。これならば、以前に考察した「出力がレール・トゥ・レールにならない」問題を実質的には解決し、出力振幅を大きくできます。

バランス型出力なので、片電源でもOCLにできます。


バランス型D級アンプ

DClassAmpBalanceFig2-2

Fig2-2 バランス型D級AMP

  この回路では、積分器(CR型)を二組用意しています。積分器を一つにし、論理的な反転で、バランス出力を駆動する手もありますが、LCフィルタ以降のバラツキがパワー段に及ぼす影響を考慮して、このようにしています。積分器を1つにした場合の評価はしていません。

  積分器を2つ用意していますので、入力もバランス入力となります。今回は、片方の入力はGNDに固定して、シングルエンド入力にしています。2つの積分器の出力をコンパレータで比較し、その差が0になるように動作をさせています。

  バランス出力の駆動に対称(特に伝搬遅延)とするため、入力の接続を逆にしたコンパレータを2つ使用しています。

FFTのよる高調波歪の評価ですが、以下のようになります。

FFT_Fig2-1vsFig2_2

  赤がシングルエンドの回路(前回の回路、Fig2-1)、緑が今回のFig2-2

  2次、4次の高調波が圧倒的に小さくなっているのがわかります。差動アンプでよくいわれるとおりですね。よく見ると、7次以降の高調波はむしろ大きくなっていますが、基調波との差は-100dB以上になっているので、音質に影響をあたえるレベルで聞こえることはないと思います。ノイズシェーピングがより効いていると解釈することにします。

このまま、ヘッドホンアンプにしてみるのも面白そうです。

たぶん、(倒産して) Cirrusに買収されたTripathのTA-2020とかはこんな構成なのだろうと思います。

なお、積分回路を作動回路で構成することもやってみましたが、ちょっと使いづらいところもあるのがわかったので、どうしようかな…と考えているところです。

D級AMP考 ~誤差積分型(CR積分)

NabeさんのD級ヘッドホンアンプを出発点にして、今回の一連のシミュレーションによる考察を経て、なんとかスピーカーを駆動するアンプが作れそうな気がしてきたので、更に考えてみることにします。

誤差積分型(CR積分)

積分器をCR型積分器にして、高速コンパレータを使った回路。nabeさんの改良版を誤差積分に変更したものです。

DClassAmpFig2-1

Fig2-1. 誤差積分型(CR積分) シングルエンド、自励式

LT-Spiceシミュレータを使うために、コンパレータはLT1715(Tpd=4ns)にしています。CMOSのバッファはSpiceモデルの関係で74HC04の8パラとしています。バッファ→インバータと変更した関係で、コンパレーターの入力端子の接続も逆になってます。CMOSロジックは、普通のバッファ/インバーターを使用するなら、インバータの方が段数が少ないので高速ですしね。電源電圧±2vで、シミュレーションでは30MHz弱になりました。

ゲインも入力とフィードバック回路の抵抗の比を少しいじり、ゲインが(絶対値で)1より若干大きくなるようにしています。

  実際に回路にする場合は、74HCではなく、74AHCとか、74VCXを使うことで更に高速になります。74AHC/74VCXは74HCと比べて出力電流が強化されていますので、たぶん74AHC/74VCX 3パラくらいで74HCの8パラとほぼ同等になると思います。

  出力バッファに双方向性バッファ(74AHC245や74AHC640など)を使うことで、サグ取りを目的としたダイオードを省略できる可能性があります。74AHCは入力に保護ダイオードがあり、これが同じ役目を果たしてくれることを期待しています。74vcxは電源電圧より高い入力電圧にトレラント性があるので、保護回路の構造が異なると思います。

  更に、コンパレータにロジック素子のインバーターを使うことも考えられます。以前の記事のFig.1-2が相当します。

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まとめ

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