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Bose901のイコライザー1段目その3

1st_ampOnly_conceptual
(クリックで全体を表示)

イコライザー一段目の増幅器の周辺を、トランジスタの簡易モデルで書きなおしてみました。
トランジスタ$Q_1、Q_2$のベース抵抗をそれぞれ$h_{ieQ_1},h_{ieQ_2}$,ベース電流を$Ib_{Q_1},Ib_{Q_2}$,電流増幅率を$ \beta_{Q_1},\beta_{Q_2} $, Q1,Q2のコレクタ電流$Ic_{Q1}、Ic_{Q2}$とします。
\[
Ic_{Q1}=\beta_{Q1} \cdot Ib_{Q1} \tag{1-1}
\]
\[
Ic_{Q2}=\beta_{Q2} \cdot Ib_{Q2} \tag{1-2}
\]

\[
Ib_{Q2}= \frac{R5} {R5+h_{ieQ2} } \cdot Ic_{Q1} \tag{1-3}
\]

ですから、(1-1),(1-2),(1-3)から
\begin{align*}
Ic_{Q2} &= \frac{R_5}{R_5+h_{ieQ2}} \cdot \beta_{Q_2} \cdot Ic_{Q_1} \\
&= \frac{R_5}{R_5+h_{ieQ2}} \cdot \beta_{Q1} \cdot \beta_{Q2} \cdot Ib_{Q_1} \tag{1-4}

\end{align*}

また、
R3に流れる電流IR3は,式(1-3),(1-4) キルヒホフの電流則から、

\begin{align*}
I_{R_3} &= Ib_{Q_1}+Ic_{Q_1} +Ic_{Q_2} \\
&= (1+ \beta_{Q_1} + \frac{R_5}{R_5 + H_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2}) \cdot Ib_{Q_1} \tag{1-5}

\end{align*}

ここで、$ R_5 = 6.8K \Omega$、 $h_{ie_{Q1}}, h_{ie_{Q1}} \approx 数百\Omega $、$ \beta_{Q_{1}}, \beta_{Q_{1}} \approx 150 ~ 200 $とすれば、
$$
1 << \beta_{Q_1} << \frac{R_5}{R_5 + h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2} \tag{1-6}
$$
したがって、VOUT0はオームの法則から、
\begin{align*}
V_{out0} &= (1+ \beta_{Q_1} + \frac{R_5}{R_5 + h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2} ) \cdot R_3 \cdot Ib_{Q_1} \tag{1-7} \\
&\approx \frac{R_5}{R_5+h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2} \cdot R_3 \cdot Ib_{Q_1} \tag{1-7'} \\
&= R_3 \cdot Ic_{Q2} \tag{1-7''}
\end{align*}
同じくオームの法則から、
$$
Ib_{Q_1} = \frac{ V_{in} – V_{out0}} {h_{ieQ_1}} \tag{1-8}
$$
式(1-8)を(1-7’)に代入すれば、

\begin{align*}
V_{out0} &= \frac{ \frac{R_5}{R_5+h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2}\cdot R_3} {h_{ieQ_1}} ({ V_{in} – V_{out0}})
\tag{1-9} \\
\end{align*}

$$
\alpha = \frac{\frac{R_5}{R_5+h_{ieQ_2}} \cdot \beta_{Q_1} \cdot \beta_{Q_2} \cdot R_3} {h_{ieQ_1}} \tag{1-10} \\
$$

とすれば、$ \alpha >>> 1$ は自明で、(1-10)を変形すると、
\begin{align*}
\frac{V_{out0}}{V_{in}} &= \frac{\alpha}{\alpha+1} \tag{1-11} \\

&\approx 1 \tag{1-11'} \\
\end{align*}
を得ます。つまり、$ V_{out0} \approx V_{in} $です。
また、
$$
V_{out1} - V_{out0} = R_4 \cdot Ic_{Q_2} \tag{1-12}
$$
ですから、式(1-7''),(1-12)から、
\begin{align*}
V_{out1} &\approx \frac{ R_3 + R_4 }{R_3} \cdot V_{out1} \\
&\approx \frac{ R_3 + R_4 }{R_3} \cdot V_{in} \tag{1-13} \\
\end{align*}
つまり、R3,R4の分圧比でほぼ正確に増幅率の決まる増幅回路になるわけですね。しかも、入力電流はほとんど流れないので、入力インピーダンスは非常に高くなります。
私は、ちょっと複雑なアナログ回路は、OpAmpに頼っちゃう方(シロートだし)ですが、トランジスタ2個でもやろうと思えば出来るんですねー。勉強になります。まあ、電圧のオフセットとか考えると、AC増幅にしか使えそうもないですが…
で、R5の意味ですが、正直良くわかりません。一般的な小信号トランジスタでは、ベース抵抗Hieは数百オーム位だと思うので、R5(6.8K)を並列にしたところで、さほど、Q2のベース電流に変化があるわけではないです。試しにこの抵抗を取り除いても、LTspiceでのシミュレーション結果は大差ないです。この抵抗を小さくしていくと、全体のゲインに影響がでてきます。式(1-6)の関係が崩れてくるためです。
考えられるのは、トランジスタのコレクタ電流はある程度は流したほうが、ノイズが減るためかな?とおもいます。

最後に、式(11)で与えられる、増幅率は、
$$
\frac{1600+200}{1600} = 1.125 \approx 1.023dB \tag{1-14}
$$
でシミュレーションから読み取った値は、約0.94dBとなります。(真数換算での)誤差は1%以内に収まりますから、結果は妥当といえるでしょう。

次回に続きます

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